いろんな指標がある中、わが社の労働生産性は妥当なのだろうか?
「労働生産性」とは、従業員が1時間働くことで生み出した経済的価値を示す指標です。
まず用語が難しすぎてここであきらめる人が多いはず。
「1時間当たりの付加価値」とも言います。
仕入れや外注費が多い鈑金塗装業では参考程度ですね。
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■ 計算式:
1時間当たりの付加価値 = 👉 付加価値額 ÷ 総労働時間
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■ 付加価値額とは?
企業が生み出した価値の総額から、外部から購入したモノやサービスのコストを差し引いたもの。
• 付加価値額 = 売上高 − 外部購入費用(材料費、外注費など)
■ 具体例:
• 売上高:3,000万円
• 材料費、外注費など:1,200万円
• 総労働時間:6,000時間
→ 付加価値額:3,000万円 − 1,200万円 = 1,800万円
→ 1時間当たりの付加価値:1,800万円 ÷ 6,000時間 = 3,000円/時
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■ なぜ重要か?
• 生産性向上の指標になる
• ライバル店との比較ができる(業界平均など)
• 賃上げの根拠としても使える(「付加価値が上がったから、給与を上げられる」など)
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■ 鈑金塗装業では?
現場仕事では、「1人1時間あたりの付加価値」を把握することで、
• 熟練者と新人の生産性の差
• 工程ごとのムダ
• 教育効果の測定
などが「数値」で見えてきます。育成や給与設計に活かすには最適な指標かもです。
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■ 1時間あたりの付加価値を高める取り組みは?
「1時間あたりの付加価値を高める」ためには、単なる作業スピードの向上だけでなく、「ムダを減らし」「高付加価値な仕事に集中できる環境を作る」ことがカギです。
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🔧【1】段取り力の向上(=手待ち時間の削減)
• 材料、工具、部品の準備ミスを減らす
• 「次に使うもの」を先読みして準備
• 進行表や作業指示書の整備
👉 無駄な移動や確認時間が減り、1時間あたりの仕事密度が高まります。
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🚗【2】高単価な作業比率を増やす
• 保険修理や高難易度作業(例:フレーム修正・輸入車対応)に注力できる
• 複数人でこなす大型作業を適切に配分できる
👉 時間単価の高い仕事の割合を増やすと、自然に付加価値が上がります。
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🎓【3】人材の多能工化(柔軟な人の使い方)
• 鈑金も塗装も軽作業程度は両方できるように
• ムダな待ちが発生したときに他工程を補える
👉 人の稼働率を最大化でき、作業の「空白時間」を削減できます。
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🧽【4】作業品質の安定 → クレーム、手直しの削減
• 初回の仕上げ精度UP → 再作業ゼロ
• 塗膜不良やパテ割れ対策を仕組み化(記録・チェック)
👉 再作業は最悪の非効率。ゼロに近づければその分生産性がアップ。
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🖥【5】IT・デジタル活用で間接作業の削減
• 作業進捗をホワイトボードではなくタブレットで共有
• 写真管理、保険会社への連絡も一括管理(LINEなど)
👉 職人の「報連相」や管理者の「段取り調整」が秒速に。無駄に現場を歩かなくて済みます。
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📊【6】日報、週報による振り返りとフィードバック
• 実作業時間と「何に時間を使ったか」を記録・共有
• 「どうすればもっと早く、キレイにできるか」をチームで話し合う文化
👉 現場での小さな気づきを積み上げることで改善力がつきます。
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💬【7】顧客対応や営業力の強化(高単価案件の創出)
• フロント対応の質向上 → 客単価UP・紹介率UP
• 高付加価値な作業(コーティング、リペア+αサービス)の提案
👉 技術職だけでなく会社全体としての付加価値を引き上げる視点も重要です。
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✅ まとめ:
• 月ごとの「1時間あたりの付加価値」を出してグラフ化
• 作業者別や部門別の数値も比較しながら話し合う
• 「誰かを責める」ためではなく、「改善のきっかけ」に使う
当社でもみんなが見れるように書き出しています。
1時間あたりの付加価値が向上すれば、1人当たりの労働時間を削減ができるので、残業や休日出勤などが不要になり、長時間労働問題の改善につながります。
こういった数字を見ながら、効率良く働けるようになれば、ワーク・ライフ・バランスも充実しますよね。
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